日本人の戦争観

 お久しぶりです。

 先日、日本の毎日新聞が興味深い世論調査の実施していたのでご紹介します。ソースは以下のサイトです。まだ新聞そのものを見ていないので、具体的な質問内容や結果、対象人数など、分からないことが沢山ありますが、だいたいの傾向は分かると思われます。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060703k0000m040052000c.html

 これは、主として日本国民と国会議員両者に対する戦争観についてのアンケートです。以下では国民の方のアンケート結果に関する記述のみ、簡単にまとめておきます。

Q1 第二次大戦をめぐる日本政府の謝罪・反省について

A1 十分(36%) 不十分(42%) 謝罪・反省は必要なし(11%) 無回答など(11%)

Q2 対米開戦への評価

A2 無謀な選択だった(59%) やむを得ない選択だった(33%)

Q3 対中戦争で侵略的行為が行われたと思うか

A3 どちらとも言えない(45%) 侵略だと思う(40%)

Q4 極東国際軍事裁判(東京裁判)への評価

A4 不当な裁判だが、戦争に負けた以上、やむを得なかった(59%) 戦争責任者を裁いた正当な裁判(17%) 戦勝国が一方的に裁いた不当な裁判(10%)

・・・・・・・・・

 この記事だけではちょっと情報が少なすぎて、判断するのが難しいのですが、個人的にはアジア・太平洋戦争について、それが「不可避」であったこと、侵略かどうかの判断のつけられない戦争であったこと、といった認識が思ったよりも多い印象を受けました。

 ちなみに、2000年5月にNHKが実施した世論調査では・・・

Q5 先の戦争は、アジア近隣諸国に対する侵略戦争だった。

A5 そう思う(51%) そうは思わない(15%) 昔のことだから、自分には関係ない(7%) わからない・無回答(28%)

Q6 先の戦争は、資源の少ない日本が生きるためにやむを得ないものだった

A6 そう思う(30%) そうは思わない(35%) 昔のことだから、自分には関係ない(4%) 分からない・無回答(31%)

 となっています(吉田裕『日本人の戦争観』岩波書店、2005年、文庫版へのあとがき)。

 質問の仕方や選択肢が違うので、安易に比較はできませんが、「やむをえない戦争」であったという認識が一貫して根強いことと、「侵略かどうか」という判断について、近年迷いが生じていること、ぐらいは読み取れるかもしれません。

 以上、ご参考まで。 

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